土地探しについて考えてみませんか。
2021.08.02
今回は土地探しについて考えてみます
住宅を建てようとする時、建て替えの場合や親から譲り受けた土地があるとか
既に土地を確保している場合を除き、まず土地を探さなければなりません。
しかしご希望の土地を探すことは、そう簡単なことではありません
法律的な知識も必要ですし、気力・体力も使いますし、根気強く土地探しをしなければなりません。
そして根気強く行動していれば、自分に合った土地が見つけられるという保証もなく、タイミングや運にも左右されます。
「幸運は用意された心のみに宿る」という言葉があります
チャンスというものは、形や姿を変えて平等にみんなのところに訪れるけど、
それをチャンスとして掴むかは、自分たち自身にかかっているということです。
今回は、そのチャンスを掴むための心構え、基本的な事について考えたいと思います
いざ土地を探すことになった場合ですが、多くの場合いろいろと土地に関する情報を集めようとすると思います。
もちろんそれは重要ですが、それより前にやっておくことがあります。
それは自分の家族の新生活をイメージし、土地に求める条件を整理することです。
新しい土地と新しい家で、どんな暮らしがしたいのか?
そのために、新しい土地と新しい家に何を求めるかを、予め具体的に整理しておくことが重要になります。
ご希望の土地を探すことは、相当なエネルギーを使います。
積極的に行動していても希望の物件はなかなか出てこないものです。数か月で見つかる方もいますが、
1年以上探している方も多くいます。それだけ自分の希望に合った土地を探し出すのは難しいと言えます。
当然のことながら100点満点の土地物件はありませんので、
どこかで妥協することになるわけですが、かなり長く物件探しをしていると疲れもあり冷静な判断ができずに、
本来は優先順位の高い要望について安易に妥協してしまって、契約してしまうケースが見受けられます
物事を判断する時、最終的にはその人の価値観で行われますが、
その価値観において、優先順位を明確にしておいて、ぶれないことが重要かと思います。
土地に求めるご希望については、土地の広さ、価格、通勤時間、お子様の学区、周囲の環境、災害に対しての安心感などいろいろとあると思いますが、
ご家族を含めて優先順位を明確にされるのが良いかと思います。
あまり多すぎても、判断しにくくなりますから、これだけは譲れないという要望を3つくらいに絞っておくと良いでしょう
それ以外は、あったら更に嬉しい希望として考慮されると良いかと思います。
優先順位が明確になっていれば、ご希望の物件が出てきた時に、すばやく適正な判断ができます。
明確になっていないと判断が遅れてしまって、他の方に先行契約されてしまうことも散見されます。
自分にとって好条件の物件は、間違いなく他の方からも好条件の物件として購入の対象となっています。
以上のことは土地探しの心構えみたいなものですが、予め持っていた方が良いかと思います
土地を探し始めると土地に関するいろいろな情報について、
ネットや紙面で目にしたり、仲介業者から説明を受けることになります。
それらの情報のほとんどが、法律(宅建業法)で定められている説明義務のある事項です。
その説明義務事項については、宅地建物取引士が説明する法的義務がありますが、逆に言えば、それ以外は法的に説明する必要がありません。
業者によっては法律に抵触しなければ、不利な情報を教えてくれない場合があります
(利益だけを考えている業者は、営業上不利なことはまず説明しないかと思います。)
まして環境の良し悪しの感じ方は、個人によって変わりますから、業者の話をそのまま受け取るわけにはいきません。
土地面積や価格で絞り込んでから実際の土地を見て判断するわけですが、
材料となるポイントをいくつか挙げてみたいと思います。
1) 街並み・周辺環境
いろいろな時間帯や天候で、街並み・周辺環境が自分と家族の生活に合うかどうかを確認します。
例えば最寄りの学校まで徒歩10分と説明されても、実際に歩いてみると地形や時間帯で変る場合もあります。
(ちなみに、徒歩1分は80mで計算されています。)
そして、夜間の雰囲気(街灯や人の状況)も確認しておいた方が良いかと思います。
お子さんがいらっしゃるなら子供の通学時間帯の環境も知りたいところです。
また日中と夜間の、音の確認も必要です。交通量や電車バスの運行状況なども確認しておくべきです。
そして近隣の人たちの雰囲気も確認しましょう。どんな家族構成の人が暮らしているのか?
お庭の手入れの状態とかゴミ出し場の清掃状況で、判断がつく場合もあります。
自分の家族とうまく近所付き合いができそうかなど、近隣の人の情報・暮らしのイメージは自分で確認するしかありません。
2) 隣地の状況・境界
隣地にはどんな建物が建っているか?そしてその建物の用途は何か?
隣地から越境しているもの(屋根や木など)はないか?塀やフェンスなどの仕切りの所有者はだれか?
境界ははっきりしているか?などを確認します。
3) 日照・風通し
敷地の方角(南向きや北向きなど)が影響しますが、前面道路や隣地の状況でも変わります。
地図だけではなく、必ず現地で確認が必要になります。
南面に空き地がある場合でも、その空き地が住宅地として機能した場合の建物配置を考慮した方が良いかと思います。
4) 水の流れ・水勾配
雨が降っている時・降った後の水の流れを確認します。近くに川や地図に載らないような用水路があるかどうか?
特に周囲よりも低い土地の場合には水はけが悪くなりますから、ハザードマップと併せて状況は確認しておくべきでしょう。
5) ライフラインの整備状況
ライフラインとは、上下水道・側溝、ガス、電気になります。
特に上水道と下水道が敷地内まで引き込まれているか?浄化槽地域の場合、側溝は整備されているか?
上水道を引き込む場合でも、前面道路に本管は埋設されているか?本管の所有者は誰か?確認しておきましょう。
6) 前面道路・接道
道路に2m以上接しているか?幅員は4m以上あるか?これらは最低限の確認事項になります。
(幅員が4m未満の場合にはセットバックとなり、敷地が道路の一部とみなされて削られます。2m未満しか道路に接していない
場合には、建物が建設できないことになります。)
そして公道なのか?私道なのか?も重要になります。特に私道の場合は要注意です。
さらに都市計画道路(敷地の全部又は一部が、将来道路になる計画)の有無も確認しましょう。
もし道路計画が実行された場合、立ち退きの可能性も発生してしまいます。
7) 災害に対しての安心・安全
内水(洪水)、津波、がけ崩れなどはハザードマップを利用して安全度の確認が必要です。
敷地に隣接する、崖や2mを超える擁壁にも注意が必要です。
以上7項目がチェック事項として最低限必要になるかと思いますが、必要に応じてチェック事項は増える事もあるかと思います。
土地探しというものは、巡り合わせ、言いかえれば運という面があることも否定できません。
しかし上記のようなポイントを認識しておけば、うまく選べる確率も大きく増すはずです
素晴らしく価値のあるものを目の前にしても、「用意された心」つまり受け入れる準備ができていないと、
チャンスはものにできないということが、土地探しにもあてはまります。
よい土地に巡りあっても、素通りしてしまって後になってから、
「なんであの時、あの物件で決めてしまわなかったのだろう~」と後悔しませんように。
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